彼の本は、ぼろぼろに輝く。
南無阿弥陀佛
朝晩の寒暖差に驚く季節となって久しく。
あれほど避けていた日なたを選んで歩くようになって久しく。
寒いのが苦手な私は、これから耐える季節がやって来るのです。
冬の朝、お布団を出る瞬間、私は本気で、
冬なんかすっ飛ばして夏が来て欲しい、と思うのです。
そんな私は冬の味覚、お鍋が大好きなんですけどね!(モグモグ)
「三枚の葉でできているように見えるところから付けられた、この化石の名前はなんでしょう?」
ある晩、TVのクイズ番組で、上のような化石が映し出され、問題文が読み上げられました。
それを観ていた彼(6歳)は即答したのです。
「これはトリロバイトだから、答えは三葉虫(さんようちゅう)だね!」と、元気良く。
正直、大人にはさほど難しくない問題でありましょう。
問題文を聞いていれば、ある程度答えを類推する事が可能です。
どうして正答がわかったのか、不思議に思った家族が彼に問います。
彼はすぐさま本棚からぼろぼろになった本を取り出して、嬉しそうに24頁を開けて言いました。
「ここにトリロバイトって出てくるもん!初代ゴジラの足跡から見つかったんだよ!」
くたくたになっている分厚いその本は『ゴジラの超常識』という本。
私が2年前に買っていたもので、一通り読んだ後、本棚に仕舞っていたのですが、
この夏休み辺りから急にゴジラに興味を持ち出した彼に引き継いでもらったのでした。
それからというもの、
穴が開くのではないかと思われるほどに読み込む姿は、確かに目にしていました。
ゴジラのキャラクターを憶えたり、映画の公開年月日を嬉しそうに教えてくれるようにもなりました。
が、まさか本の何処に、何が載っているかまで把握しているとは・・・。
もう素直に驚くばかりですが、
他方、物凄く贅沢な記憶力の使い方をしている気も致します(笑)
しかし笑ってばかりもいられません。
ここで同時に問われますのは己の姿。
そういえば私は、これほど御聖教を読み聴き味わっていたでありましょうか。
先代から授かった御本は沢山あれど、どれもピカピカなのが現実であります。
「暇(いとま)は、つくるものだ。」と、耳に痛い先代の言葉が想い出されます。
「聖教はよみやぶれ」と大学時代に聞いた御言葉が、私の頭を打ん殴っていきます。
息子の姿に、大切な御事を「また忘れておるぞ」と教えて頂いた秋の晩でありました。
それにしても如来様のお手まわしは、ありとあらゆる処におわします。
私には恐ろしく、しかし有難く、そしてたのもしく。
どれだけ教えて頂いても、忘れる事が得意な私。
これからも息子に沢山の事を教えて頂いて参ります。
合掌
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